災害報道 被災者と実名

古川努(西日本新聞社会部記者)
川端章子(岩手日報釜石支局長)

第3会議室

28日(日)

​〜

11:10

12:30

 自然災害を伝えるとき、「個人情報保護」の壁がどんどん厚くなっています。私達のコミュニティで「誰に何が起こったか」が見えず、救助や支援が円滑に進まない恐れも出ています。情報開示に及び腰な行政当局を乗り越え、私たち記者は何を取材し、どう報道すべきか? 意義深い2つの報道があります。2017年7月、福岡、大分両県を襲った九州豪雨で行政当局が公表していない安否不明者全員の実名を取材に基づき掲載し、「現状」を克明に伝えるとともに、被災者の立場を大切にする報道を進めた西日本新聞。11年の東日本大震災や16年の台風10号の被害を受けた岩手県で、安否不明者の実名が公表されないことがもたらした問題を深掘りし、県内外の災害現場から人々の声を伝えて「匿名社会」を問い行政をも動かした岩手日報。それぞれの取材現場から見えてきたものをお話しいただきます。これからの災害取材に向けた展望を得る場になりそうです。

古川努(ふるかわ・つとむ、西日本新聞社会部記者 )
1973年生まれ。長崎県佐世保市出身。長崎新聞記者を経て、2007年に西日本新聞社入社。社会部遊軍、同事件担当から10年に朝倉支局(福岡県朝倉市)勤務。福岡、熊本、大分各県が被災した12年7月の「九州北部豪雨」を取材。14年から社会部事件担当、16年に遊軍へ。18年7月の「九州豪雨」では発生初日から現地入りし、継続的に取材を続けている。
川端章子(かわばた・あきこ、岩手日報社釜石支局長)
2004年入社。総務部を経て、報道部在籍時に東日本大震災を経験。12年4月から2年間、釜石支局に勤務し、17年4月報道部次長、18年4月から現職。今秋に迫るラグビーワールドカップ試合会場の釜石市と、旧役場庁舎解体問題が注目された大槌町を担当する。報道部では復興・災害報道や連載企画に携わり、17年1月から弊紙に連載した企画「あなたの証し 匿名社会と防災」で災害時の氏名公表の意義や匿名化による課題を探った。

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