よりよい被害者取材・報道のために~当事者とともに考える

瀬口晴義(東京新聞編集局次長)高橋シズヱ(地下鉄サリン事件被害者遺族)下村誠治(明石歩道橋事故遺族)

第1会議室

28日(日)

​〜

11:10

12:30

 事件事故で傷ついた被害者、ご遺族の取材や報道はどうあるべきか-。記者として正確で意義ある報道を目指すとともに、取材の場で心ある振る舞いをし、人間らしい態度をとるために知っておくべきことがあります。被害者の方々の取材は突然必要になることも多いだけに、その場しのぎの対応ではなく、落ち着いた時間の中でじっくりと学び、考え、備えることが必要です。
 高橋さんは、地下鉄サリン事件の被害者遺族として、被害者の権利のため声を上げ続けるとともに、発生直後から何度も取材を経験、記者との関わりを通じて知ったことや考えたことをより良い報道のために語ってきました。下村さんは、警察が加害者側となる異例の展開をたどった明石歩道橋事故で、メディアスクラムも、真相究明のための報道機関との連携も経験し、また他の事件・事故の遺族とも協力しながら公共組織がかかわった事故の再発防止に取り組んでいます。報道現場から被害者取材・報道の在り方につき模索してきた瀬口さんの視点を合わせ、お話を聞き、現場に生かせる議論をしていきましょう。

高橋シズヱ(たかはし・しずえ)1995年の地下鉄サリン事件で、営団地下鉄霞ケ関駅助役だった夫一正さん(当時50歳)を亡くす。「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人。テロ事件の被害者救済のため活動する。犯罪被害者にとって報道は不可欠と考え、記者との勉強会を重ね、2005年に朝日新聞の河原理子記者とまとめた『<犯罪被害者>が報道を変える』を出版。他に、地下鉄サリン事件被害者手記集『それでも生きていく』(電子図書98年サンマーク出版)、自著『ここにいること』(08年岩波書店)を出版。

下村誠治(しもむら・せいじ) 明石歩道橋事故遺族会長、鉄道安全推進会議共同代表、阪神淡路大震災「 1.17希望の灯り 」理事
 2001年7月に兵庫県明石市の花火大会で起きた群衆事故で、当時2歳の次男が死亡。遺族会代表として、刑事、民事の両面から警察や市、警備会社の責任を追及した。ほかの事件や震災の遺族とも連携しながら、組織事故の原因究明や被害者の司法参加について、遺族の視点から発言を続けている。

瀬口晴義(せぐち・はるよし、東京新聞編集局次長)1964年生まれ。東洋大文学部哲学科卒。87年に中日新聞入社。宇都宮支局を経て93年1月から2009年まで東京新聞社会部で司法、文部省、遊軍。09年~13年月まで、朝刊一面コラム「筆洗」を担当。社会部長を経て17年から編集局次長。著書『検証・オウム真理教事件』社会批評社 1998年)、『人間機雷 「伏龍」特攻隊』(講談社、2005年)、『東京新聞の「筆洗」 ~朝刊名物コラムで読み解く時代の流れ~』(廣済堂新書、15年)。

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